
子育て・心育てのエッセンス
環境を整える①

モンテッソーリ教育では「環境を整える」ということをとても大切に考えています。
「環境を整える」とは?
どうしたらいいのでしょうか?
まず「環境」とは何でしょう?
辞書で『環境』と引いてみました。
取り囲んでいる周りの世界
人間や生物の周囲にあって、意識や行動の面で、
それらと何らかの相互作用を及ぼし合うもの
(大辞林第3版より)
環境には自然環境と社会環境があります。
自然環境は「自然元来の構成物により形成される環境」
例えば、水・地・風・引力・重力・温度・湿度などです。
社会環境は「人間の事情による環境、人工的な環境」
例えば、組織・制度・慣習・文化・国・地方・家庭・コミュニティなどです。
環境というのは、これら複数の環境要素によって成り立っていると考えます。
例えば、ある地域で死魚が大量発生します。
天候のせいかも?環境汚染のせいかも?と色々な要因が考えられ、それが人間の生活にも影響を与えます。
植物も、温度・水分などそれぞれ必要な条件は違います。
ですから、その環境に適した植物がそこに生息します。
または、その植物が生息できるように環境を整えます。
ということは、その生命を活かすためには、特定のニーズを知識として取り入れることができれば、その生命を援助することができる!ということになります。
子どもに置き換えると、「子どもの生命を活かすためには、その子どものニーズを知識としてきちんと持っていることができれば、その子どもの生命を援助することができる」ということです。
では「子どもにとっての環境の考え方」は?
「どこに何を置くか」「どの順番で使うか」「不必要なものはないか」など
その時に、そのことに集中できるように
「子どもにとって何が必要か?」を観察し(=見守り)、
そのために「どのような環境を整えるか?」を考えることです。
それぞれの子どもには、自己教育力(※)と敏感期(⭐︎)があります。
同じ日の同じ時間に生まれた子どもでも、それぞれの求めているものは違います。
求めるものは日々変化します。
そして、子どもは、環境を通して発達します。
それは、植物に水をあげ過ぎれば根腐れしてしまい、逆に水をあげなければ枯れてしまいます。その植物に合った適量の水を与えなければいけません。
子どもも同様、手を出しすぎる環境、自分で自分のことができない環境、自分で考えることができない環境・・など、そのような環境の中では子どもの生命を援助することはできないのです。
子どもにとって心地よい環境、自分のことが自分でできる環境・・など、そのような環境の中では、子どもは環境を通して発達していくのです。
ですから、子どもの発達を知ること、子どもにとっての「環境とは」を知ることは、子どもの発達を援助する上で、とても重要になると考えます。
これを理解した上で「環境を整える」ということを行なっていきます。
子どもにとっての「環境」を整えるために、どのようなことに配慮したら良いのか、次回細かくお伝えしようと思います。
*自己教育力・・子どもは自ら学び、自分で自分を成長発達させる力を持っていて、自分に必要な時期に必要な課題に取り組んで成長していく
自立に向かって成長していく力
⭐︎敏感期・・ある対象に夢中になる時期
何かに強く興味を持ち、同じことを繰り返す時期
→子どもには、生まれながらに持つ「生きようとする力」がある
※自己教育力・敏感期については、別コラムでもう少し詳しく記していきます。