子育て・心育てのエッセンス

大人の気持ちが楽になるために、子どもの発達段階とその時の接し方を知っていく!

教育 2024年5月12日

【はじめに】
このコラムでは、モンテッソーリ教育を基盤として、マタニティー期から子育て中のヒントとなる事柄(心・身体・食事など)をお伝えしていこうと思います。

*子どもの見方*
Help me to do it myself
「自分でできるように手伝ってください」
この言葉を、モンテッソーリ教育は、とても大切にしています。

「子どもは何もできない」という存在ではありません。発達途中にいる「ひとりの人間」です。
見る・聞く・触る・動かすなどから始まり、周りの環境からたくさんの物事を吸収して獲得していき、自分でできるようにチャレンジしています。そのチャレンジを大人はあたたかく見守ってあげます。そして、子どもが困っていたら、その困っているところだけお手伝いをしてあげてください。
そのように自分を尊重され、自分で選択して行動し、達成感をたくさん味わった子どもたちは、自分らしく自信に満ち溢れ、自分の選んだ自分の人生を、自分の足で歩いていくのです。

そうは言っても、子どもの行動やこだわりに、困惑してしまうこともあります。
でも、それらには必ず理由があります。
特に0〜6歳の子どもは、心も身体も大きく成長します。様々な発達段階があって、子どもは、子ども自身が発達するための必要な課題に取り組んでいるのです。
発達段階を知り、その時々の接し方を知ると、子どもがどうしてそう動くのか、どうしてこだわっているのか、理解しやすくなっていきます。

例えば、2歳前後の子どもは、道路の縁石の上を歩きたがります。
大人からすると「危ないし、早く行きたいのに・・・」ですよね。
縁石の上をおぼつかない足取りで一歩一歩歩くことで、足元をしっかりと見ること・2本の足で歩くこと・体のバランスをとること・体幹を作ることなど、子どもは大切な課題に取り組んでいるのです。
子どもは、五感を使って自分の身体を作り、世の中の事象を理解しようとしています。

大人は、自ら伸びようとしている子どものために、少し手伝ってあげればよいのです。
「小さい何もできない子ども」ではなく「ひとりの人間」として「自分でできるように手伝ってください」と言っている方のお手伝いをするのです。
子どもたちの毎日は、一つずつできることが増えていく日々です。
「ひとりでできた!」という喜びの機会をたくさん作ってあげたいですね。

ひとりでも多くの子どもが、そんな大人に出会えたらと思っています。
このコラムが、そんな方達の一助になれればとの思いで、今後も綴らせていただきます。